変形性膝関節症
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変形性膝関節症は中年以降の女性に多発する膝の病気です。特に体重の重い人はなりやすく、病気の本態は膝関節の軟骨の摩滅によるものです。家の壁でいえば、薄いつるつるの上壁が水分がなくなり、ポロポロと剥がれてくる状態によく似ています。粗壁同士がこすり合うとガリガリとするように、次第に関節面はすべりにくくなってきます。
1.初期症状は立ち上がり時の膝痛、運動後の膝痛であり、リハビリで膝や臀部の筋力をつけたり、水中歩行訓練をしたり、体重減量の努力をしていくと治っていきます。
2.中程度の変形では、多くは内側の軟骨が剥離し、関節腔の内側が狭くなってO脚変形(がに股)が生じ、歩行時に体が横揺れをするようになってきます。最初は膝の裏側の神経が反応するため後から痛みを感じはじめますがやがて内側の痛みに変わっていきます。日常生活では階段や和式トイレ、正座等の上下運動が困難となきます。水がたまって腫れることもあります。治療は先ず軟骨面の保湿剤(濃厚ヒアルロン酸)を注射で注入しますと、しばらくして関節面がつるつるして滑りやすくなり、軟骨の再生が期待されます。一方O脚は靴の外側が減っていることをみれば簡単にわかります。放置しますとますますO脚は進展していきますので、足の裏に外が少し高い足底板(外側 ウエッジ)を作成したり、膝のO脚予防サポーターを装着します。水が多くたまった場合には注射針で水を抜き、中を水洗いするとよいでしょう。
3.重度となると関節変形が強くなり、平地歩行も困難となってきます。膝が充分伸びず、階段昇降も不便となります。60才前後で人工関節を入れる手術をすることもあります。