中枢神経の構造は三機構に分類できます。

1、大脳新皮質は人間で最も発達した脳であり、よりよく生きていくべく人間の叡智ともいえます。発生学的に新しい脳であり、表面に大きく存在しています。真善美の精神的意欲的な活動を営んでおり、一生努力によって活躍できます。年を取っても若々しいのはこの新皮質の知的活動がいつまでも働いてくれるからです。働きが悪くなるのをボケルといいます。


2、大脳辺縁系は古い脳であり、古皮質・旧皮質・辺縁皮質等とも呼ばれ、大脳皮質の下に奥深く存在しています。哺乳動物が本能的に生き、活動するための脳といえます。アニマルとしての欲望に支配され、行動力に富んだ動物脳といえましょう。たくましい生命力あるバイタリティーはこの辺縁皮質から生まれてきます。体育系人間、商売人、浪花節的人生は辺縁系を中心とした生き方によります。


3、脳幹・脊髄系は意志とは無関係な自動振る舞いの神経です。爬虫類以下は反射的に行動をします。訓練によって反射は強化され、芸を体で覚える事になります。

●脳幹上位に位置する間脳は自律神経のコントロールセンターであり、体温や血圧、生理の周期等を自動的に調節し、体内リズムを刻んでいます。
●脳幹の中脳では体の動的バランスを調節し、足元がつまづいた時にも反射的に立ち直ろうと体が敏捷に反応してくれます。
●脳幹の橋は眼耳鼻舌等の感覚を大脳に連絡する中継ブリッジの役割をしています。
●脳幹の延髄は生命中枢であり、呼吸や心拍数を自動的に調節して命を維持します。
●脊髄は脳からの運動命令を筋肉に伝えたり、また皮膚の熱い、冷たい、快、不快等を脳の感覚センターへ伝える光ケーブルとしての役割も持っています。


中枢神経の機能は二つあり、役割分担の比率は脳の部位によって異なります。

 体性機能は意志に基づいて運動・行動を行ったり、感覚・知覚を感じたりする働きといえます。上位中枢(大脳)程、多く働くといえます。

 自律神経は循環器・消化器・ホルモン・呼吸・性周期等を自動的に調節する脳であり、間脳が一番よく働きます。宇宙船地球号の自然リズムと人体の体内リズムとの協調こそが自律神経の役割といえます