腰痛や坐骨神経痛の発生部位

腰痛や坐骨神経痛と一口にいいましても、その原因はいろいろであります。先ず痛みの発生がどこから起こってくるのかをきちんと診断することが出発点となります。

 腰痛や坐骨神経痛の中で最も多いのが椎間板ヘルニアによるものでしょう。椎間板ヘルニアは、青年期・実年の時期に多発いたします。突然発生するタイプ慢性にじわじわと生ずる場合があります。

 神経の入っている脊柱管では、60歳前後から脊柱管狭窄症が発生し、しばらく歩くと大腿から下腿にかけて坐骨神経痛を感じたりするようになります。

 また成長期の中学・高校生には過激な運動によって、脊椎分離症脊椎すべり症などが発生いたします。

 いわゆるギックリ腰の中でも椎間関節のずれで起こってくるタイプは一週間ほどで楽になりますが、椎間板ヘルニアによる場合は経過が長くなってきますので正確な診断が必要となります。椎間関節は上下の骨のつなぎめであり、この部分にじわじわと変形が来て、慢性腰痛症となるのが変形性脊椎症であります。

 閉経後の女性では椎体の骨密度が低下して骨粗しょう症が発生してまいります。尻餅をついたりして圧迫骨折を起こしますと背中が丸くなってきます。症状は寝返りや起きあがり動作で背中から腰にかけての痛みがあることが特徴的です。


腰痛や坐骨神経痛を呈する
代表的部位別疾患の特徴
発生部位
疾 患 名
疾患の特徴

●椎間板

椎間板ヘルニア

青年期・実年期に多発。急性と慢性が有る。

●脊柱管

脊柱管狭窄症

60才前後から多く発生する。坐骨神経痛を伴う。

脊椎分離症

脊椎すべり症

成長期の中学・高校生に多く、過激な運動により発生。

●椎間関節

ぎっくり腰

椎間関節のずれによって起こる。椎間板ヘルニアとの見極めが肝心。

変形性脊椎症

椎間関節の変形が、慢性的腰痛を引き起こす。

●椎体

 

骨粗しょう症

閉経後の女性に多く、骨が スカスカになる。 

圧迫骨折

骨粗しょう症の女性がなりやすい。